
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
大腸カメラ(大腸内視鏡検査)は、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸(一部小腸)を調べる検査です。最も重要なのは大腸がんを発見し診断、治療を行うことです。そのほか大腸ポリープ、腸炎の原因、血便の原因などを診断することができます。検査の際には必要に応じて、大腸ポリープの切除、組織の一部を採取(生検)、止血処置などを行います。
日本における大腸がん罹患数は2019年全国がん登録で男女ともに第2位です。死亡数は2022年男性2位、女性1位です。大腸がんは増加傾向にあり、日本においても社会問題となっています。
その大腸がんのほとんどは良性の大腸ポリープから発生します。大腸ポリープの中でも腺腫と呼ばれる種類のものは10㎜以上になるとがん化率が上昇します。簡単に説明すると大腸ポリープ(腺腫)が大きくなり、細胞自体が悪くなり大腸がんになりますので、大腸がんになる前の良性ポリープの段階で切除することが勧められます。
早期大腸がんも内視鏡切除が可能な場合も多くあり、早期発見、早期治療のためにもまず、大腸カメラをうけていただくことが重要です。
血便、下痢が続くなどの症状がある場合は早めに受けていただくことをお勧めします。しかし、大腸ポリープや早期大腸がんは全く症状がない場合も多いです。また、大腸がんの危険因子は加齢、大腸がんの家族歴、食生活の欧米化(高カロリー食、赤身・加工肉の摂取)、多量の飲酒、喫煙などもあります。症状がなくても一度は大腸カメラを受けてみてください。
当院ではポリープのある方はポリープ切除も同時に行います。
ポリペクトミー:茎があるポリープは茎の部分にスネア(金属の輪っか)をかけ通電させて切除します。小さいポリープは通電せず、そのままポリープをちぎるような治療(コールドスネアポリペクトミー)も行っています。
EMR(内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術):平坦なポリープは下に薬液を注入し持ち上げて、スネアをかけて切除します。
ただし、ポリープが大きい場合(2cm以上)は切除後に出血や穿孔のリスクが高く、病院へ紹介し切除してもらうようになります。
当院では大腸カメラに対する「つらい」「苦しい」「痛い」「恥ずかしい」というイメージや検査に対する不安を解消できるような環境をめざし、1人でも多くの方に定期的に大腸カメラを受けていただきたいと思っております。
そのために前処置や検査時にも工夫をしております。
大腸カメラは、腸管洗浄液(下剤)によって腸内をきれいにする必要があります。この下剤による前処置が、大腸カメラが大変といわれる要因の一つにもなっています。当院では少しでも楽な方法で前処置を行っていただけるように工夫をしています。
鎮静剤(静脈麻酔)にて眠ったまま検査を受けることも可能です。鎮静剤を用いた内視鏡検査の大きな目的は「不安」や「苦痛」の軽減です。大腸内視鏡検査では腸の中に空気を入れるためお腹の張りや吐き気などで苦しんでしまう方もいらっしゃいますが、鎮静剤を使用することで、そのような症状が緩和できます。鎮静の程度を調整することも可能で、検査に対して不安や恐怖心が強い方は「ぐっすりと眠った状態」に、検査画面を一緒に見たいという方は「苦痛を取り除く程度の状態」に、というように患者さんの状態やご希望に合わせて検査を行うことができます。
検査終了後は、鎮静剤の効果が切れるまでベッドでしばらく休憩していただくため、安心してご帰宅できます(鎮静剤を使用した場合、自動車、バイク、自転車などの運転はできませんのでご注意ください)。
1割負担 | 2割負担 | 3割負担 | |
---|---|---|---|
大腸内視鏡検査 (観察のみ) |
1,800円 | 3,000円 | 5,000円 |
大腸内視鏡検査+生検※ | 2,800円 | 5,000円 | 8,000円 |
大腸ポリープ切除 | 7,000円 | 14,000円 | 20,000円 |
※生検とは病変の組織を一部採取して、顕微鏡で確認する検査です。
※上記費用に診察料、薬剤料などが別途かかります。
検査予約
大腸カメラをご希望の場合、事前に外来を受診していただき、診察ののちに予約をします
(院内で下剤内服希望の方やお電話での予約の方は、大腸カメラに関しての注意点をご説明させていただきます)。
検査前日
夕食ははやめ(18時頃まで)に済ませてください。
水、お茶、スポーツドリンクは夜間も摂取可能です。
検査当日
検査
検査着に着替え、ストレッチャーに横になっていただきます。
鎮静剤を注射しリラックスした状態で検査を受けていただきます(鎮静剤を希望されない場合、注射はありません)。
※検査時間:15~30分程度
検査後
検査終了後はリカバリールームで休憩いただき、その後、医師より検査結果について説明があります(鎮静剤を使用しない場合はリカバリールームでの休憩は必要ありません)。
鎮静剤を使用した場合、車等の運転はできませんのでご注意ください。
大腸カメラでは大腸ポリープ、大腸がんだけではなくいろいろな病気の診断ができます。
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