熱中症
暑い日が続いています。今回は熱中症の予防、治療について書きたいと思います。
熱中症の発症時期は梅雨明け後 7 月中旬から 8 月上旬にかけてピークを迎え、発症時刻は 12 時および 15 時前後の日中が最も多いです。
もちろん、外でスポーツや労働をしている人は注意が必要ですが、高齢の方は日常生活で起こる「非労作性熱中症」に注意が必要です。
非労作性熱中症は日常生活の中で徐々にすすみ、周囲の人から気付かれにくいです。高齢の方は基礎疾患(心臓の病気、糖尿病、高血圧など)を有している方が多く、熱中症になると重症化しやすいともいわれています。
そこで熱中症予防の「HEAT(ヒート)」です。
H:Health Care
・三度の食事をしっかりとってください。
・毎日の体温・血圧・心拍数・体重の測定をお願いします。
E:Environment
・涼しい生活環境が大切です。(エアコンはしっかり使いましょう!!)
・周囲の人たちと交流できる毎日も大事です。
A:Alert
・熱中症警戒アラートに注意してください。
・天気予報やニュースを毎日チェックしましょう。
T:Treatment
・高血圧、心臓の病気、糖尿病、腎臓病などの持病の管理(こちらはお任せ下さい)
これらに気をつけて日常から熱中症対策をしてください。
また、熱中症の治療は「FIRE(ファイヤー)」です。
F:Fluid
・適切な水分補給
熱中症では水分のみならず、体の塩分も失われます。水の摂取のみならず、経口補水液 オーエスワン®(OS-1:大塚製薬工場)、梅干し、みそ汁なども塩分が含まれており有効です。市販のスポーツドリンクでもよいですが、糖分が多いので注意してください。
I:Icing
・体を冷やす
太い静脈を冷やしてください(首、わきの下、太ももの付け根)
R:Rest
・安静
E:Emergency
・救急搬送 / 119番
呼びかけて反応がないときは救急車を呼んで下さい
本当に暑いので体調に気を付けてお過ごしください。
副院長 原 裕一
参考資料:日本救急医学会 熱中症診療ガイドライン2015年